COI-NEXT「ゼロカーボンバイオ産業創出による資源循環共創拠点」では、空気の資源化技術を核として、京都地域にゼロカーボン・バイオエコノミー社会を実現することをビジョンに掲げ、農業、水産業、林産業、ものづくり産業に取り組んでおられる事業者の方々との意見交換を行い、拠点の研究開発計画に反映して活動を進めています。
このたび、拠点に参画する京都府および舞鶴市の協力の下、京都府北部の水産業及び林産業の課題と今後の本拠点との連携についてワークショップを開催しました。
まず漁業・水産業関連として、京都府農林水産センター海洋センター及び栽培漁業センターで行われている育てる漁業の取組をご紹介いただき、大気中CO2の吸収源となる海藻アカモクの養殖の取組から昨今の気候変動や地政学的問題による不安定な水産業の実情まで話が及びました。また、そうした漁業等も含む海洋産業関係の人材を育成する海洋高校の取組についてもご紹介いただき、地域をあげての若手人材の確保に向けた取り組みの重要性について議論されました。さらに林産業に関連して、京都府北部を中心に山林管理と不動産事業を行う株式会社モリシオの事業をご紹介いただき、長期的な視点での森林整備の重要性や台風等の自然災害への対応など、課題を共有していただきました。
今回のワークショップの成果をもとに、すでに今後の研究開発課題への反映を検討開始しました。引き続き本拠点では、拠点ビジョンのブラッシュアップと更なる事業の拡大に向けて、地域の方々との連携を強化して参ります。
概要
◇日程:2023年9月5日(火)14:15~16:30
◇会場:舞鶴赤れんがパーク4号棟
◇参加者:大学・自治体・企業・一次産業関係者等 39名
◇内容:
話題提供
1)京都府の水産業におけるつくり育てる漁業について
(京都府農林水産技術センター海洋センター 研究部 久田 哲二 様)
2)京都府栽培漁業センターの事業について
(京都府水産振興事業団 専務理事 井谷 匡志 様)
3)京都府立海洋高等学校の取組
(京都府立海洋高等学校 海洋科学科 教諭 長岡智子先生)
4)地元密着型の森林整備について
(株式会社モリシオ 取締役 森林施業プランナー 鳴海 将希 様)
意見交換
京都府における一次産業の課題や拠点との連携について(進行: 京都大学学術研究展開センター URA 伊藤健雄)